

あなたは、
古民家の雰囲気は好きですか?
私は、だいすきです。
150年前!の大工さんが
どう考えてこの家をつくっていたのか
タイムカプセルのように触れられたり。
家を受け継いできたひとの
想いや思い出、歴史が
家につまっているところ。
そして、
古民家にしかない雰囲気!
私は、古民家の雰囲気のよさは、
古色になった柱や梁にあると思います。
改装にて、新しく足す木材も
その古色に合わせて、
あえて古色に塗るほうが
統一された感じに見えるのは分かりますが、
私は新しい杉板・無垢材に
古色を塗るのに抵抗があります。
それは、合板材では
経年変化は劣化として見えますが
無垢材では、経年変化で
あめ色に変わっていく変化を
楽しめる。
無垢材でしか
味わえない楽しみだからです。
新しい杉板はじっくり時間をかけて、
ゆっくりとあめ色になっていき、
そして段々と年月を重ねると
古色になっていきます。
その木が熟成するかのように
色を変化していくのを
楽しんでいただきたい想いがあり、
私はあえて古色を塗らず
透明のしみこんで木の呼吸をとめない
ワックスや油で仕上げます。
「築150年の古民家」というのは、
代々家族で受け継がれ、愛され、
大切な時間を家族で過ごした思い出が
150年積み重なっている
大切に維持管理された家。
私に依頼くださったお施主さまも
この家を愛し、
「次の世代へ受け継ぐよう快適にするため」に
改装の設計を依頼いただきました。
お施主さまのその思いを何よりも大切にし、
150年という代々、大切な家族たちとの
思い出がつまっているお家を、
最大限活かされるように、
そして次の世代に受け継ぎ
快適にするための改装計画をしました。
(玄関・ダイニングキッチン・リビング・応接間の4部屋のみ)
【150年も保つお家の秘密】
150年前はまだ「外国産材」が
輸入されていいなかったので、
すべて『国産材』です。
しかし。
昭和40年代に改装したとき。
元々からある
大きく立派な松材の梁(はり)に
1本「外国産材」の柱を設置したら、
写真のとおり、その柱を伝って
白アリ被害に遭われました。(写真3枚目)
それまでは
白アリ被害はなかったそうです。
なぜ、150年維持されたのか?
代々大切にされてきた事以外に
2つあります。
①ひとつめ
先ほども触れた、
「日本の風土にあった国産材が
使われていたこと」です。
社寺仏閣と同じとは言いませんが、
奈良の法隆寺(607年築)は
世界最古の木造建築です。
国産材です。
②ふたつめ
「水はけのよい土地に
建てられていること」です。
昭和40年代の改装の際、
改装部分は
プリント合板で覆われました。
今回そのプリント合板を外して
出てきた漆喰壁は、
おくどさん(かまど)で
薪をくべて料理されていたので、
煤で真っ黒で、(写真2枚目)
大工さんが壁を水で洗っていました。
なかなか落ちないので、
かなりの水をじゃぶじゃぶと
ホースでかけながら、
ブラシで磨いていました。
すると、
床下の土間に大きな水たまりができ、
大丈夫かな?と思っていたら。
スーと水が引いていき、
みるみる水たまりがなくなり、
カラリと乾きました!
水や湿気は家を傷めるので、
床下に湿気が溜まらない土地だったからこそ
長持ちする家になったのです。
このふたつの条件がなかったら、
150年も、もたなかったと思います。